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Korean Stock2025년 12월 25일

大韓航空、メガキャリアへの離陸:安定したテクニカルと機材戦略が描く2025年末の展望

대한항공003490
Korean Stock

Key Summary

RSI 61.03という数値は、大韓航空が過熱感のない健全な上昇トレンドにあることを示唆しています。アシアナ航空との統合プロセスが佳境を迎える中、A350導入によるロールス・ロイス製エンジンへの回帰やMRO事業の拡大は、同社の長期的競争力を根本から強化する動きです。単なる旅客需要の回復を超え、構造的な成長フェーズに入った大韓航空の投資価値を詳細に分析します。

韓国の株式市場において、長きにわたり「国を代表する翼」としての役割を担ってきた大韓航空(003490)。2025年も暮れようとしている現在、同社は単なる航空会社から、世界屈指の「メガキャリア」へと脱皮する最終段階にあります。最近の株価変動率がプラス1.55%で推移していることは、市場が同社の静かなる変革を好意的に、しかし冷静に評価している証左と言えるでしょう。今回は、テクニカルな指標とファンダメンタルズの両面から、この巨人の現在地と未来を読み解いていきます。

まず、投資家が最も気になる足元の株価動向について、テクニカル分析の視点から紐解いてみましょう。現在、大韓航空の14日RSI(相対力指数)は61.03を記録しています。RSIは一般的に70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の60台前半という数値は、非常に興味深い「スイートスポット」に位置していると言えます。これは、上昇の勢い(モメンタム)が十分に強いものの、決して過熱してはいない状態を示唆しているからです。つまり、急激な調整のリスクを過度に恐れることなく、トレンドに乗ることができる理想的な環境に近いと言えます。分析スコアが62となっている点も、派手さはないものの、堅実な経営実態と市場の評価がバランス良く噛み合っていることを裏付けています。

さて、数字の裏にある実体経済の文脈に目を向けてみましょう。2025年末現在、大韓航空を取り巻く環境で最も重要なキーワードは「機材の最適化」と「アシアナ航空統合の完遂」です。特に注目すべきは、長年の不文律を破るような機材戦略の転換です。同社はこれまで、エンジンの整備性や信頼性の観点からプラット・アンド・ホイットニー(P&W)社製のエンジンを強く選好し、ロールス・ロイス(RR)製エンジン、特にトレントシリーズに対しては慎重な姿勢を崩していませんでした。しかし、エアバスA350の導入決定は、この「非RR基調」を20年ぶりに転換する歴史的な決断となりました。

なぜ今、方針転換なのか。ここには経営陣の冷徹な計算が見て取れます。ボーイング777Xの開発遅延という外部要因を回避しつつ、アシアナ航空との統合を見据えた欧州当局との調整を円滑に進めるためには、A350というカードを切ることが不可欠だったのです。A350に搭載されるTrent XWBエンジンは燃費効率に優れており、原油価格の変動リスクに対する耐性を高める効果も期待できます。さらに、仁川(インチョン)のエンジン整備工場を拡張し、Trent XWBの整備権限を取得する動きは、単に自社機を飛ばすだけでなく、他社機の整備を請け負うMRO(整備・修理・分解点検)ビジネスを新たな収益の柱に育てようとする野心を感じさせます。

また、短・中距離路線における戦略も見逃せません。仁川国際空港の拡張に伴う輸送量の増大に対応するため、ボーイング737 NGシリーズを積極的に活用し、座席供給力を70%以上向上させたことは、タイやグアムといった高需要路線での収益最大化に直結しています。これは、長距離路線でのブランド力強化と並行して、近距離路線での「稼ぐ力」を徹底的に磨き上げていることを意味します。直近の2025年12月5日には、済州旅客サービス支店長に地元出身者を起用するなど、地域密着型のサービス強化も進めており、グローバルな拡大とローカルな基盤強化の両輪が機能している印象を受けます。

投資家として注目すべきもう一つのポイントは、大韓航空が単なる運送業者ではなく、「製造業者」としての側面も持っていることです。ボーイング787の翼部品(Raked Wingtip)の製作を積極化している点は、航空宇宙産業における同社の技術力の高さを示しています。また、退役するボーイング747-400の部品を他機材の整備に再利用するといったコスト削減策は、派手さはありませんが、利益率を押し上げる重要な要素です。こうした製造・整備部門の強みは、景気変動によって旅客需要が落ち込んだ際にも、企業全体の業績を下支えする緩衝材としての役割を果たすでしょう。

もちろん、リスクがないわけではありません。アシアナ航空との統合プロセスは、欧州当局の協力が得られつつあるとはいえ、最終的な組織融和やシステム統合には莫大なコストと時間がかかります。過去に韓進カルの株主総会で見られたような経営権を巡る争いは沈静化していますが、巨大化する組織のガバナンスが有効に機能し続けるかは、常に監視が必要です。また、エンジンメーカーの選好度において「P&W > その他 >>> ロールス・ロイス」という現場の意識と、経営判断によるRRエンジン導入のギャップが、現場の運用にどのような負荷をかけるかも注視が必要です。

結論として、現在の大韓航空は、テクニカル的には安定した上昇トレンドの中にあり、ファンダメンタルズ的には「統合による規模の経済」と「機材更新による効率化」という二つの強力なエンジンを搭載しています。RSI 61という数値は、まだ上昇余地が残されていることを示唆しており、長期的な視点を持つ投資家にとっては、押し目買いや継続保有を検討するに値する水準と言えるでしょう。メガキャリアとして生まれ変わりつつある大韓航空は、単に空を飛ぶだけでなく、航空産業全体のバリューチェーンを掌握しようとしています。その翼が描く軌跡は、2026年に向けてさらに高く、力強いものになる可能性が高いと分析します。

This report is an analysis prepared by InverseOne. The final responsibility for investment decisions lies with the investor. This report is for reference only and not an investment recommendation. Past performance does not guarantee future returns.