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Japanese StockJanuary 5, 2026

青空圏へ突き抜けるSCREEN:半導体相場復権の旗手となるか

Screen Holdings Co., Ltd.7735
Japanese Stock

Key Summary

2026年の幕開けと共に、SCREENホールディングスの株価が新たな局面に突入しました。年初来高値を更新し、半導体セクター全体の復調を象徴する動きを見せています。テクニカル指標が示す過熱感と、それを凌駕する強力なモメンタム。本稿では、最新の市場データとファンダメンタルズ分析を基に、同社株が直面するチャンスとリスク、そして投資家が注視すべき次なる節目について深く掘り下げます。

株式市場には時折、特定の銘柄がセクター全体の空気を一変させる瞬間があります。2026年1月5日、SCREENホールディングス(7735)が見せたパフォーマンスは、まさにそのような象徴的な出来事でした。株価は前日比で5%を超える急騰を見せ、16,300円という年初来高値を更新しました。多くの投資家が固唾を飲んで見守る中、この京都の名門企業は、半導体製造装置市場の「次なる波」がいよいよ本格化しつつあることを高らかに宣言したと言えるでしょう。今回は、この上昇劇の背景にある要因をテクニカルとファンダメンタルズの両面から解剖し、今投資家が取るべきスタンスについて考察していきます。

まず、トレーダーの心理を映し出す鏡であるテクニカル分析の観点から現状を整理しましょう。現在、SCREENのRSI(相対力指数)は14日ベースで69.87を記録しています。一般的にRSIが70を超えると「買われすぎ」と判断され、調整局面入りが警戒される水準です。しかし、強い上昇トレンドの最中においては、この解釈は少し異なります。RSIが70近辺で高止まりすることは、強烈な買い圧力が継続している証左でもあり、いわゆる「バンドウォーク」のような上昇気流に乗っている状態を示唆します。分析スコアが61という堅調な数値を示していることからも、現在の株価上昇が決して一過性のものではなく、一定の裏付けを持ったトレンドであることが読み取れます。ただし、過熱感が漂い始めていることは事実であり、短期的な利益確定売りによる急な押し目には警戒が必要です。

この株価上昇の原動力となっているのは、半導体業界全体を取り巻く環境の変化です。特にNVIDIAをはじめとするAI半導体の需要拡大が、製造装置メーカーへの期待値を押し上げています。SCREENの主力である洗浄装置は、半導体の微細化が進むほど重要度が増すプロセスであり、世界トップシェアを誇る同社の技術力は、ファウンドリ各社の設備投資計画において不可欠な存在です。直近のニュースでは、同社の株価上昇が半導体相場の復活期待を支えにしており、信用倍率が3.38倍と需給バランスも良好な状態にあります。信用買い残が増加している点は、将来の値上がりを見込む個人投資家の鼻息の荒さを物語っていますが、同時に将来的な売り圧力の蓄積も意味するため、需給の急変には注意を払う必要があります。

一方で、冷静な視点も忘れてはなりません。足元の業績に目を向けると、2026年3月期第2四半期の決算は、売上高が前年比微減、営業利益に至っては20.2%減と、数字上では足踏み状態にあることが分かります。固定費の増加や半導体装置事業の一時的な減収が響いていますが、株式市場は「現在の業績」よりも「将来の回復」を織りに行っています。過去12四半期を見渡せば、EPS(一株当たり利益)は拡大基調にあり、ROE(自己資本利益率)や自己資本比率といった財務健全性を示す指標は改善傾向にあります。これは、短期的な利益の凹みがあっても、企業としての基礎体力は着実に向上していることを意味しており、長期投資家にとっては安心材料の一つと言えるでしょう。

アナリストたちの見方も、慎重ながらも楽観的なトーンにシフトしつつあります。レーティングコンセンサスは「3.5」と、強気と中立が入り混じる評価ですが、特筆すべきは目標株価の引き上げです。一部の米系大手証券は目標株価を15,000円へと引き上げ、さらに強気な見方では20,000円の大台を視野に入れる声も聞かれます。現状の株価(16,300円)はすでにコンセンサス平均(約15,062円)を超えて推移しており、市場の期待値がアナリストの予測スピードを上回っている状況です。これは、株価がさらなる上値を追うポテンシャルを秘めている反面、期待外れのニュースが出た際の反動も大きくなるリスクを孕んでいます。

今後の焦点は、1月下旬に予定されている次回決算発表と、17,000円という心理的節目の攻防に集約されます。もし決算で会社予想(経常利益1,170億円)に対する進捗が好調であれば、現在の上昇トレンドは正当化され、さらなる青空圏への飛躍が期待できます。逆に、ガイダンスが慎重なものであれば、現在のRSI水準が示す通り、調整局面に入る可能性が高いでしょう。

結論として、現在のSCREENホールディングスは、モメンタム投資家にとっては非常に魅力的な局面にあると言えます。半導体スーパーサイクルの再来を信じるならば、押し目は絶好の買い場となるでしょう。しかし、バリュエーション面での割安感は薄れつつあるため、高値掴みを避けるためには、市場全体の地合いと、特に米国半導体株の動向を注視しながら、慎重かつ機動的なポジション管理が求められます。今は「強気」を維持しつつも、常に「出口」を意識する、そんな熟練した相場観が試される局面にあります。

This report is an analysis prepared by InverseOne. The final responsibility for investment decisions lies with the investor. This report is for reference only and not an investment recommendation. Past performance does not guarantee future returns.