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Korean StockJanuary 6, 2026

「造船スーパーサイクル」の再来か:HD現代重工業、米海軍受注とLNG特需で新たな航路へ

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Korean Stock

Key Summary

HD現代重工業は、米海軍からの大型フリゲート艦受注やサウジアラビア向けLNG船契約など、相次ぐ好材料を背景に株価が急伸しています。テクニカル指標は上昇余地を示唆しており、防衛産業へのシフトと株主還元策の強化が投資家の注目を集めています。造船業界のスーパーサイクル到来が期待される中、同社の成長性とリスク要因を徹底分析します。

かつて「重厚長大」産業の代表格として韓国経済を牽引した造船業が、今再び、そして全く新しい姿で投資家の熱い視線を集めています。その中心にいるのが、世界トップクラスの建造能力を誇るHD現代重工業です。特に2026年の年明け早々に飛び込んできたニュースは、市場の空気を一変させるほどのインパクトを持っていました。1月5日に発表された米国海軍向けフリゲート艦4隻の受注は、単なる売上増以上の意味を持ちます。これはトランプ政権下での造船強化政策と合致するものであり、韓国の造船技術が米国の安全保障の一翼を担うことを象徴する出来事だからです。このニュースを受け、株価は直近で7%を超える急騰を見せており、市場は同社が新たな「スーパーサイクル」に突入したのではないかと期待を寄せています。

まず、投資判断の一助となるテクニカル分析の観点から現在の株価位置を確認してみましょう。多くの投資家が注目するRSI(相対力指数)は現在55.55を示しています。一般的にRSIが70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の数値はまさに「上昇トレンドの中にあるが、過熱感はまだない」という絶好のポジションを示唆しています。分析スコアの67という数字も、ファンダメンタルズとテクニカルのバランスが取れていることを裏付けています。直近の7.21%という高い変動率は、短期的な投機筋の動きだけでなく、機関投資家による本格的な資金流入が始まった可能性を示しており、株価が次のステージへ向かうためのエネルギーが蓄積されていると解釈できます。

この株価上昇を支えているのは、単なるテクニカルな反発だけではありません。業界を取り巻く環境、いわゆるマクロ経済の追い風がかつてないほど強まっているのです。クラークソンズのデータによれば、2025年の世界の発注量は前年比で15%増加しており、特に高付加価値船であるLNG運搬船やコンテナ船の需要が旺盛です。これまで安価な労働力を武器にシェアを拡大してきた中国勢に対し、技術力を要するこれらの分野で韓国勢、とりわけHD現代重工業がシェアを奪還しつつある点(韓国シェアが38%へ拡大)は見逃せません。

さらに、同社のポートフォリオの変化にも注目すべきです。かつては商船が売上の大半を占めていましたが、今回の米海軍案件により、防衛事業の比率が30%近くまで拡大する見込みです。防衛産業は景気変動の影響を受けにくいうえに利益率が高く、これが経営の安定性を飛躍的に高めます。加えて、サウジアラビアとのLNG船追加契約により、受注残高は過去最高の25.5兆ウォンを超えました。これは向こう数年間の工場の稼働が保証されていることを意味し、将来の収益予測を非常に立てやすい状況を作り出しています。

財務面での明るい材料として、2026年の配当性向を従来の40%から50%へ引き上げる方針が示されたことも、投資家心理を大きく改善しています。営業利益が2.5兆ウォンに達すると見込まれる中で、株主還元を強化する姿勢は、長期的視点で保有する機関投資家や個人投資家にとって大きな魅力となるでしょう。労働組合とのストライキ回避により、生産遅延のリスクが後退したことも、安心感につながっています。

しかし、投資には常にリスクが伴います。最も警戒すべきは「原材料価格」と「為替」の動向です。造船業は鋼材価格の変動に利益が大きく左右されます。世界的なインフレ圧力が継続する場合、厚板などのコスト増が利益率を圧迫する可能性があります。また、現在はウォン安が輸出競争力を支えていますが、急激な為替変動は評価損益に影響を与えるでしょう。さらに、地政学リスクの高まりは防衛需要を生む一方で、紅海危機のような物流混乱を引き起こし、部材調達コストを上昇させる諸刃の剣でもあります。

結論として、現在のHD現代重工業は、単なる景気循環株としての枠を超え、防衛・環境技術(水素運搬船など)を核としたハイテク重工業企業へと変貌を遂げつつあります。アナリストのコンセンサス目標株価である85,000ウォンまでは、まだ18%程度の上昇余地が残されています。短期的なボラティリティ(価格変動)はあるものの、豊富な受注残高と高収益体質への転換、そして株主還元の強化を考慮すれば、現在価格は中長期的なポートフォリオに組み入れるための魅力的なエントリーポイントと言えるでしょう。造船業界の長い冬が終わり、本格的な春の到来を告げる銘柄として、HD現代重工業の動向から目が離せません。

This report is an analysis prepared by InverseOne. The final responsibility for investment decisions lies with the investor. This report is for reference only and not an investment recommendation. Past performance does not guarantee future returns.