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CryptoJanuary 10, 2026

Blastの岐路:強気なチャートとデータ可視性低下の狭間で問われる真価

BlastBLAST
Crypto

Key Summary

イーサリアムのレイヤー2(L2)ソリューションであるBlastは、直近で堅調な価格上昇を見せる一方で、分析プラットフォームArkhamからの追跡対象除外という逆風に直面しています。テクニカル指標は短期的な強気を示唆していますが、ファンダメンタルズ面では「ポイント還元」からの脱却と実需の証明が急務です。L2競争が激化する中、投資家が注視すべきは表面的な利回りではなく、持続可能なエコシステムの構築状況です。

かつて「利回り付きL2」という衝撃的なコンセプトを引っ提げ、暗号資産市場の話題を独占したBlast(BLAST)。その独自のアプローチは多くの資金を惹きつけ、瞬く間に主要なイーサリアム・レイヤー2ネットワークの一角へと躍り出ました。しかし今、このプロジェクトは非常に興味深い、そしてある種のスリリングな局面に差し掛かっています。市場全体のセンチメントが改善傾向にある中で、Blastは短期的な価格上昇という「果実」と、その背後に潜む構造的な「課題」の双方を抱えているのです。

まず、足元の市場の鼓動をテクニカルな視点から紐解いてみましょう。現在、BLASTの価格は直近で6.78%の上昇を記録しており、投資家の関心が回帰しつつあることを示しています。特筆すべきは、相対力指数(RSI)が「65.93」という数値を示している点です。RSIは通常、70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の水準は「買われすぎ」の警戒域に足を踏み入れつつも、まだ上昇余地を残している絶妙なラインと言えます。これは、強気トレンドが形成されつつあるものの、過熱感による急落のリスクも孕んでいることを意味します。さらに、総合的な分析スコアが「68」となっていることは、市場参加者の心理が悪くない状態であることを裏付けています。チャートだけを見れば、BLASTは次の上昇波に向けた準備運動を終えたかのように映るでしょう。

しかし、チャートという「鏡」に映る姿だけを信じて投資判断を下すのは、今のBlastにおいては早計かもしれません。なぜなら、ファンダメンタルズの領域において、決して無視できない変化が起きているからです。その象徴的な出来事が、ブロックチェーン分析プラットフォームの大手であるArkham Intelligenceによる「Blastネットワークの追跡対象からの削除(1月11日予定)」という決定です。

一見すると単なるツールの仕様変更に見えるかもしれません。しかし、データの透明性が命とも言えるブロックチェーンの世界において、主要な分析ツールから「重要性が相対的に低い」と判断され除外されることは、情報の可視性が低下することを意味します。投資家、特に大口の機関投資家は、オンチェーンデータの分析を重視します。Arkham上でのトラッキングができなくなることは、資金の流れや大口保有者の動向を把握しにくくなるという点で、一種の「不透明性リスク」として意識される可能性があります。

この動きは、現在のイーサリアムL2市場における熾烈な生存競争を浮き彫りにしています。ArbitrumやOptimism、そしてzkSyncやBaseといった競合がひしめく中で、単に「L2であること」や「ポイントが付与されること」だけでは、もはや優位性を保てないフェーズに入っているのです。市場は今、「エアドロップ狙いの一過性の資金」ではなく、「実際に使われているアプリケーション(dApps)と実需」があるかどうかを冷徹に見定めています。Arkhamの決定は、ある意味で市場からの「選別」が始まったシグナルとも受け取れるのです。

もちろん、悲観的な材料ばかりではありません。マクロ環境に目を向ければ、イーサリアム自体の価格に対して長期的な強気予想が出ており、2026年に向けてETH経済圏全体が拡大するというシナリオは、Blastにとっても強力な追い風となります。ETH価格が上昇すれば、L2全体のTVL(ロック総額)評価も底上げされる傾向にあるからです。また、Blastが持つ高利回りの設計は、依然としてDeFiユーザーにとって魅力的な選択肢の一つであり続けています。短期的な価格上昇の勢いが、こうしたネガティブなニュースを一時的に凌駕する可能性も十分にあります。

投資家として今、Blastにどう向き合うべきでしょうか。機会とリスクのバランスを冷静に計る必要があります。機会としては、RSIが示すような短期的なモメンタムに乗る戦略が考えられます。特にL2セクター全体に資金が流入する局面では、知名度の高いBlastは選好されやすい銘柄です。一方で、リスク管理としては「情報の死角」に注意を払う必要があります。主要分析ツールからの除外後は、他のデータプロバイダや公式ダッシュボードを駆使して、TVLの推移やアクティブユーザー数の増減を自ら確認するリテラシーが求められます。

結論として、現在のBlastは「期待」と「現実」の狭間で揺れ動いています。65.93というRSIは市場の熱気を示していますが、その熱気が本物の実需に支えられたものか、それとも投機的なマネーゲームの一環なのかを見極めることが重要です。これからのBlastに求められるのは、インセンティブ(報酬)によって集められたユーザーを、いかにして定着させ、独自のエコシステムを築き上げるかという「質」の証明です。投資判断においては、目先の利回りや価格変動だけでなく、プロジェクトがデータの透明性をどう確保し、競合ひしめくL2戦争の中でどのような独自の価値提案を打ち出していくのか、その「次の一手」を注視し続ける姿勢が不可欠でしょう。

This report is an analysis prepared by InverseOne. The final responsibility for investment decisions lies with the investor. This report is for reference only and not an investment recommendation. Past performance does not guarantee future returns.