かつてないほどの活況を呈している世界の半導体市場において、韓国の素材・部品・装置(いわゆる「素部装」)セクターが再び投資家の熱い視線を集めています。その中心にいるのが、今回取り上げるユジンテク(084370)です。AI半導体という巨大な潮流が押し寄せる中、同社は単なる期待感だけでなく、実質的な受注実績と技術革新を武器に、企業価値の再評価(リエーティング)局面に突入しようとしています。特に2026年に入り、サムスン電子との大型契約締結や米国市場への進出加速など、具体的な好材料が相次いでおり、投資家として見逃せないタイミングに来ていると言えるでしょう。
まず、足元の株価動向をテクニカルな側面から紐解いてみましょう。現在、ユジンテクのRSI(相対力指数)は14日ベースで64.03を記録しています。一般的にRSIが70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の64という数値は非常に興味深い水準です。これは、上昇トレンドが明確に形成されているものの、過熱感による急落のリスクが高い「危険水域」にはまだ達していないことを示唆しています。つまり、強気相場の「スイートスポット」に位置していると言えるでしょう。さらに、弊社独自のAI分析スコアも77と高水準をマークしており、最近の変動率が10.67%に達していることからも、市場の資金が同社に集中的に流入している様子が見て取れます。これは単なる投機的な動きではなく、確固たる材料に基づいた買い支えがあることを裏付けています。
その「確固たる材料」の最たるものが、2月15日に発表されたサムスン電子向けの半導体テスト装置輸出契約です。契約規模は500億ウォンに上り、これだけで株価を8%押し上げる原動力となりました。しかし、数字の大きさ以上に重要なのは、その内容です。今回の契約は、HBM(広帯域メモリ)や高性能AIチップのテスト需要に対応するものであり、ユジンテクの技術力がグローバルスタンダードであるサムスンに認められたことを意味します。ガートナーの予測によれば、2026年の半導体テスト市場は12%の成長が見込まれていますが、AIチップの複雑化に伴い、テスト工程の重要性は以前とは比べ物にならないほど高まっています。この構造的な変化の恩恵を、ユジンテクは直接的に享受できるポジションにいるのです。
業績面を見ても、その成長ストーリーは説得力を増しています。2025年第4四半期の売上高は前年同期比22%増の1,250億ウォン、営業利益は35%増の180億ウォンを記録し、営業利益率14.4%という健全な収益性を証明しました。さらに経営陣は2026年の売上目標を5,500億ウォンに設定し、3月には新製品「Eugene AI Handler」の発売を控えています。これは、従来のメモリ向け中心のポートフォリオから、より高付加価値なAI・システム半導体向けへと事業構造を転換させる象徴的な動きです。2月14日に発表された300億ウォンのR&D投資拡大も、この次世代ソリューション開発への自信の表れと捉えることができます。
バリュエーションの観点からは、依然として「割安」という見方が優勢です。現在、同社の株価収益率(PER)は約18倍で推移しています。同業種の平均PERが20倍前後であることを考慮すると、まだ上昇余地が残されています。特に、輸出比率が現在の40%から60%へと拡大するシナリオが現実味を帯びてくれば、国内市場中心のディスカウント要因が解消され、PER15倍〜20倍の水準が正当化されるでしょう。アナリストのコンセンサスも「買い」が支配的であり、目標株価の平均値は25,000ウォンと、現在価格(19,800ウォン)から約26%の上昇余地を見込んでいます。キウム証券やNH投資証券などの主要ハウスも、AIテスト需要の持続性を根拠に強気の見通しを崩していません。
しかし、投資には常にリスクが伴います。最も警戒すべきは、半導体サイクルの変動性です。現在は「スーパーサイクル」の入り口にあると言われていますが、世界的な景気減速や地政学的な緊張がサプライチェーンに影響を与えれば、設備投資計画が見直される可能性はゼロではありません。また、売上の約50%をサムスン電子に依存している現状は、安定要因であると同時に、単一顧客リスクでもあります。現在進められている米国TSMCやインテルとの契約交渉(2月末発表予定)が、この顧客集中リスクを分散させるカギとなるでしょう。
結論として、ユジンテクは現在、ファンダメンタルズの改善とテーマ性(AI・HBM)が噛み合った非常に魅力的な局面にあります。RSIなどのテクニカル指標も、過熱感を伴わない健全な上昇トレンドを示唆しています。投資家にとっての次の重要なマイルストーンは、2月25日に予定されている業績コンファレンスコールです。ここで第1四半期のガイダンスが市場の期待通り、あるいはそれ以上に上方修正されるかどうかが、株価が次のレベル(25,000ウォン台)へ跳ね上がるための触媒となるでしょう。短期的にはボラティリティが高まる可能性がありますが、中長期的な視点で見れば、AI半導体エコシステムの拡大と共に成長する「コア銘柄」としてポートフォリオに組み入れる価値は十分にあると考えられます。