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韓国株2026年2月22日

EVシフトの隠れた主役、ハンイル鍛造:テスラ契約と米国進出が描く新たな成長軌道

한일단조024740
韓国株

重要な要約

ハンイル鍛造(024740)は、従来の自動車部品メーカーからEVサプライヤーへの転換を加速させています。テスラとの契約締結や米国工場増設といった好材料に加え、第4四半期の好決算が株価を牽引しています。テクニカル指標は強い買いシグナルを示唆する一方、原材料価格の高騰などリスク要因も存在するため、多角的な視点からの分析が必要です。

かつて「重厚長大」産業の代表格と見なされていた鍛造業界に、今、新たな革命の風が吹いています。その中心にいるのが、韓国の自動車部品メーカーであるハンイル鍛造(024740)です。2026年2月に入り、同社の株価は投資家たちの熱い視線を浴びています。特に2月18日に発表されたテスラとのサプライヤー契約締結のニュースは、同社が単なる下請け企業からグローバルなEV(電気自動車)プレーヤーへと脱皮したことを象徴する出来事となりました。これまで現代自動車グループへの依存度が高かった同社にとって、この契約はポートフォリオの多角化だけでなく、技術力が世界基準に達したことを証明するマイルストーンと言えるでしょう。

まず、投資家が最も気に掛ける現在の株価動向をテクニカルな視点から紐解いてみましょう。現在、ハンイル鍛造のRSI(相対力指数)は14日ベースで66.54を記録しています。RSIは一般的に70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の66.54という数値は非常に興味深い位置にあります。これは、市場の買い意欲が非常に旺盛であることを示しつつも、過熱感による急落が懸念される「危険水域(70以上)」にはまだ達していない、いわば「上昇トレンドの最も勢いのある局面」を示唆しているからです。直近の変動率が6.79%プラスであることも、この強いモメンタムを裏付けています。ただし、分析スコアが40というやや控えめな数値である点には注意が必要です。これは株価の勢いに対し、その他の複合的な指標や長期的な安定性指標がまだ追いついていない可能性を示しており、短期的にはボラティリティ(価格変動)が高まるリスクを内包しています。

ファンダメンタルズに目を向けると、ハンイル鍛造の変貌ぶりはさらに鮮明になります。2025年第4四半期の実績において、売上高は前年同期比22%増の1,250億ウォン、営業利益は35%増の180億ウォンを達成しました。特筆すべきは、売上全体に占めるEV向け精密鍛造部品の比率がついに50%を超えたことです。これは、同社が「エンジン車の部品屋」から「EVの基幹部品メーカー」へと完全に軸足を移したことを意味します。さらに、2月18日に発表された500億ウォン規模の米国工場増設投資は、2026年の稼働を目指しており、GMやフォードといった北米大手からの受注獲得に向けた布石となっています。これにより、2026年の売上目標が2,000億ウォンへと上方修正されたことは、経営陣の自信の表れと言えるでしょう。

市場環境も同社にとって追い風となっています。現在、KOSDAQ市場では自動車・部品セクター指数が直近1ヶ月で8%上昇しており、半導体セクターの低迷を尻目に資金が流入しています。背景には、米中貿易摩擦の緩和観測により、韓国製自動車部品の輸出環境が好転していること、そしてウォン/ドル相場が1,380ウォン台で安定していることで輸出採算性が確保されていることが挙げられます。IEA(国際エネルギー機関)の推計によれば、グローバルEV販売台数は2025年比で15%増加すると見込まれており、EVシフトの再加速はハンイル鍛造のような部品メーカーにとって長期的な恩恵となるでしょう。

しかしながら、投資家はバラ色の未来だけでなく、潜在的なリスク要因も直視する必要があります。最大のリスクは原材料価格の変動です。EV部品に不可欠なニッケルの価格が直近で10%上昇しており、これが利益率を圧迫する可能性があります。また、米国大統領選挙後の政策変更や関税リスクも依然として不透明要因です。テスラや現代自動車への供給拡大はポジティブですが、特定の顧客や地域への依存度が高いままだと、地政学的なショックを受けた際のダメージも大きくなります。加えて、出来高が急増している現状は、短期的な投機マネーの流入も示唆しており、株価の乱高下に巻き込まれる可能性も否定できません。

アナリストたちのコンセンサスは、目標株価45,000ウォン(現在は38,500ウォン水準)とし、FnGuideの集計では80%が「Buy」を推奨しています。PER(株価収益率)は12.5倍と、成長性を考慮すれば割高感は薄れています。また、配当利回りが2.8%と予想されており、成長株でありながらインカムゲインも期待できる点は魅力的です。

結論として、ハンイル鍛造は現在、過去の伝統的な製造業の枠組みを超え、次世代モビリティ企業へと進化する過渡期にあります。テクニカル指標が示す強い上昇圧力と、EV部品比率の拡大というファンダメンタルズの改善は、同社が「一発屋」ではなく構造的な成長期に入ったことを示唆しています。短期的には原材料高や市場の過熱感による調整局面があるかもしれませんが、EVサプライチェーンの拡大という長期的なメガトレンドに乗っている点は揺るぎません。投資家にとっては、日々のボラティリティに一喜一憂するのではなく、米国工場の稼働や新規顧客の獲得といった具体的な成果をマイルストーンとして確認しながら、中長期的な視点で向き合う価値のある銘柄と言えるでしょう。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。