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仮想通貨2026年2月9日

TRONの底堅さが示す「実需」の強み:BTC調整局面で見直されるTRXの真価

TRONTRX
仮想通貨

重要な要約

ビットコインが調整色を強める中、TRON(TRX)は驚くべき安定性を見せています。テクニカル指標が示唆する「売られすぎ」手前の水準と、PayPal USD導入やETF申請といったファンダメンタルズの好転が重なる今、なぜTRXがポートフォリオの「守りの要」として機関投資家から再評価されているのか、その背景にある実需と将来性を詳細に分析します。

2026年2月、暗号資産市場は再び試練の時を迎えています。ビットコイン(BTC)が直近の高値から約19%もの下落を記録し、市場全体に冷ややかな風が吹く中、一際異彩を放っているのがTRON(TRX)です。多くの主要アルトコインがビットコインに追随して大きく値を下げる中、TRXの直近の下落幅はわずか1.3%程度にとどまっています。この「異常なまでの底堅さ」は、単なる偶然ではありません。かつては創設者ジャスティン・サン氏の派手なパフォーマンスばかりが注目されたこのプロジェクトが、今や市場のインフラとして確固たる地位を築き上げていることを示唆しています。なぜTRXはこれほどまでに強いのか、そして現在の価格水準は投資家にとってどのような意味を持つのか、テクニカルとファンダメンタルズの両面から紐解いていきましょう。

まず、投資判断の基礎となるテクニカル分析の指標に目を向けると、現在のTRXが非常に興味深い位置にあることが分かります。14日間の相対力指数(RSI)は「38.11」を示しています。通常、RSIが70を超えれば買われすぎ、30を下回れば売られすぎと判断されますが、現在の38という数値は、過熱感が完全に冷め、むしろ「売られすぎ」の領域に接近しつつあることを示しています。これは、上昇トレンドの中での健全な調整局面、いわゆる「押し目」である可能性が高いことを示唆しています。さらに、独自の分析スコアは「65」を記録しており、これは市場心理が依然として強気であることを裏付けています。最近の変動率(ボラティリティ)が2.26%と低いことも特筆すべき点です。暗号資産特有の乱高下が抑えられていることは、TRXが投機対象から安定した価値の保存手段、あるいは決済手段としての性質を強めている証左と言えるでしょう。

このテクニカル面での安定性を支えているのが、実需に基づいた強固なファンダメンタルズです。特に注目すべきは、決済大手PayPalが発行するステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」が、LayerZeroを経由してTRONネットワーク上に展開されたというニュースです。TRONはすでにUSDT(テザー)の主要な発行チェーンとして知られていますが、ここに規制準拠のステーブルコインであるPYUSDが加わることは、TRONがグローバルな決済インフラとして、より広範な認知を得たことを意味します。DeFi(分散型金融)分野においても、TRON上のレンディングプロトコル「JustLend」は50億ドルを超えるTVL(預かり資産額)を維持しており、イーサリアムに次ぐ巨大な経済圏が実際に稼働し続けています。これらは、価格が期待だけで動く「ミームコイン」とは一線を画す、実体を伴った評価と言えます。

さらに、地政学的な視点からもTRXへの関心が高まっています。モスクワ証券取引所(MOEX)がTRXを含む暗号資産指数の先物取引を2026年中に開始する計画を発表しました。これは、西側諸国の金融システムとは異なる経済圏において、TRXが重要な決済・資産クラスとして認識されていることを示しています。すでにドミニカ国が国家公認ブロックチェーンとしてTRONを採用している事例と合わせると、新興国や非西側諸国を中心とした「実需の拡大」が、TRXの価格を下支えする強力な要因となっていることが分かります。

投資家として見逃せないのが、機関投資家の動きです。Canary CapitalによるTRON ETF(上場投資信託)の申請は、この銘柄が次のフェーズへ進むための重要な触媒となる可能性があります。もし承認されれば、これまで規制の壁により参入できなかった伝統的な金融資本が流入することになり、現在の40円台(約0.280ドル)という価格水準は、長期的に見て割安なエントリーポイントであったと振り返ることになるかもしれません。現在、価格は長期的なトレンドラインである100日および200日単純移動平均線(SMA)によってしっかりとサポートされており、ここを割り込まない限り、強気トレンドは継続していると判断できます。

もちろん、リスクがないわけではありません。TRONについては、常に規制当局との対立や、ジャスティン・サン氏個人の動向がプロジェクト全体に与える影響(キーマンリスク)が懸念材料として挙げられます。しかし、近年のSEC(米国証券取引委員会)との裁判における有利な展開や、エコシステムの分散化の進展により、そのリスクプレミアムは徐々に剥落しつつあるようにも見えます。むしろ、ビットコインが低迷する中で独自の値動きを見せるTRXは、ポートフォリオのリスク分散(ダイバーシフィケーション)において、非常に有効な「守りの資産」としての役割を果たし始めています。

結論として、現在のTRXは、派手な急騰を狙う短期的な投機対象というよりも、実需に基づいた底堅い成長を期待する中長期的な投資対象として魅力的です。RSIが示す割安感と、決済インフラとしての採用拡大、そしてETF承認への期待感という「三本の矢」が揃った今、調整局面での購入を検討する価値は十分にあります。市場全体が悲観に包まれている時こそ、実体のあるプロジェクトを見極める好機です。TRONは今、その「実体」を静かに、しかし力強く証明し続けているのです。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。