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韓国株2026年2月15日

K-原発の復活とSMRの飛躍:斗山エナービリティが描く10兆ウォンの未来図

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韓国株

重要な要約

斗山エナービリティは米NuScaleとの1.5兆ウォン規模の契約やSMR事業の黒字化により、世界のエネルギー市場で再評価されています。株価は52,000ウォン台で推移し、RSIなどの指標は過熱感のない上昇余地を示唆していますが、大規模な資本増強による短期的な希薄化懸念も存在します。長期的な成長ストーリーと短期的リスクのバランスをどう見るかが投資の鍵となります。

かつて「重厚長大」産業の代表格であった企業が、今や最先端のクリーンエネルギー技術の旗手として世界の株式市場で熱い視線を浴びています。韓国の斗山エナービリティ(Doosan Enerbility)のことです。世界的な脱炭素化の流れとエネルギー安全保障の強化が叫ばれる中、同社は単なる発電設備メーカーから、次世代エネルギーソリューション企業へと劇的な変貌を遂げつつあります。特に2026年2月に入ってからの動きは、投資家にとって無視できない重要なシグナルを発しています。

まず、直近の市場の反応を見てみましょう。2026年2月14日の終値は52,300ウォンを記録し、出来高も前日比で35%増加するなど、投資家の関心が急速に高まっています。ここで注目すべきはテクニカル指標です。株価の過熱感を測るRSI(相対力指数)は14日ベースで59.05を示しています。一般的にRSIが70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の水準は「上昇トレンドにあるものの、まだ過熱圏には達していない」という絶妙な位置にあります。これは、ニュースを見て飛びついた短期筋の買いが一巡し、実需に基づいた中長期的な資金が流入し始めている可能性を示唆しています。分析スコアが40となっている点は、市場が依然として慎重姿勢を崩していないことを表していますが、これは後述する資本増強への懸念が織り込まれているためでしょう。

ファンダメンタルズの観点からは、驚くべき好材料が相次いでいます。2月12日に報じられた米NuScale PowerとのSMR(小型モジュール炉)供給契約の拡大は、単なる覚書レベルの話ではありません。総額1.5兆ウォン規模に達するこの契約は、2027年の商用化に向けた具体的な部品供給を確約するものであり、SMRという「夢の技術」がいよいよ収益を生む現実のビジネスになったことを証明しています。さらに、2025年第4四半期の決算発表では、売上高が前年比25%増の4.2兆ウォン、純利益が35%増の3,500億ウォンを達成しました。特筆すべきは、これまで投資フェーズにあったSMR事業がついに黒字化を達成した点です。これは企業の収益構造が質的に変化したことを意味する重要な転換点と言えるでしょう。

市場環境も同社に追い風となっています。米韓政府による原子力支援策やIRA法(インフレ抑制法)の恩恵を受け、SMR市場規模は2026年までに20兆ウォンを超えると予測されています。チェコのDukovany原発プロジェクトにおけるタービン受注や、サウジアラビアでの水素プラントFEED(基本設計)完了など、グローバルな受注残高は15兆ウォンを超えており、向こう数年間の収益基盤は盤石と言えます。多くのアナリストが目標株価を現在の株価より約25%高い65,000ウォンに設定し、「買い」推奨を出しているのも、こうした確実性の高い将来収益を評価してのことです。

しかし、投資家として冷静に目を向けるべきリスク要因も存在します。最も大きな懸念材料は、2月11日に発表された5,000億ウォン規模の資本増強(新株発行)です。企業側はこれをSMR関連の設備投資加速のためと説明していますが、既存株主にとっては一時的な株式価値の希薄化(ダイリューション)を招きます。株価が好材料にもかかわらず爆発的な急騰を見せていないのは、この増資による需給悪化を市場が警戒しているためです。また、米中貿易摩擦によるサプライチェーンの混乱や、各国の原発許認可プロセスの遅延といった政治的・規制的リスクも常に念頭に置く必要があります。

結論として、斗山エナービリティは現在、過去の遺産と未来の可能性が交錯する非常に興味深い局面にあります。短期的には増資による株価の調整圧力が続く可能性がありますが、RSIが示すように過熱感はなく、むしろ押し目買いの好機を探る展開と言えるかもしれません。SMRという巨大な成長エンジンが実際に利益を生み出し始めた今、同社は単なる建設・機械銘柄ではなく、エネルギー転換の核心銘柄として評価されるべきです。投資家にとっては、目先の株価変動に一喜一憂するのではなく、2027年以降のSMR本格商用化を見据えた長い時間軸でのアプローチが報われる可能性が高いでしょう。「忍耐強い資本」だけが、エネルギー革命の果実を手にすることができる、そんな局面に来ているのです。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。