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韓国株2026年1月18日

LG電子:AIと電装で描く「家電の巨人」の新たな成長曲線と投資好機

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韓国株

重要な要約

CES 2026での革新的なAI製品発表と堅調な第4四半期決算を受け、LG電子の株価は新たな局面を迎えています。伝統的な家電メーカーから「スマートライフ・ソリューション企業」への転換が進む中、テクニカル指標も強気シグナルを示唆。本記事では、AI家電と電装事業(VS)の成長性、そして米中貿易摩擦などのリスク要因を総合的に分析し、投資家が今知るべきポイントを解説します。

かつて「白物家電の巨人」と呼ばれたLG電子が、今、劇的な変貌を遂げています。2026年の幕開けとともに開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、同社が世界に示したのは単なる冷蔵庫や洗濯機の改良版ではありませんでした。AIを搭載した透明OLED TVや、家全体を一つの有機的なシステムとして統合する「ThinQ AIプラットフォーム」の進化は、同社がハードウェアメーカーからソフトウェアとサービスを融合させた「スマートライフ・ソリューション企業」へと脱皮しつつあることを強く印象づけました。投資家の視点から見れば、この変革期こそが、LG電子という銘柄を再評価する絶好のタイミングと言えるかもしれません。

まず、足元の株価動向をテクニカルな側面から紐解いてみましょう。現在、LG電子のRSI(相対力指数、14日ベース)は64.01を記録しています。一般的にRSIが70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の64という数値は、上昇トレンドが継続しているものの、過熱感が出る手前の「健全な強気ゾーン」にあることを示唆しています。分析スコアも70と高水準を維持しており、市場心理が好転していることが読み取れます。直近の変動率がプラス4.68%となっていることからも、投資家たちが同社の将来性に資金を投じ始めている様子がうかがえます。これは、単なる短期的なリバウンドではなく、ファンダメンタルズの改善を伴った上昇波動の入り口である可能性が高いでしょう。

この強気なセンチメントを裏打ちしているのが、2025年第4四半期の堅調な業績です。1月10日に公表された実績によれば、売上高は前年同期比5%増の22兆ウォン、営業利益は同12%増の1.2兆ウォンを達成しました。特筆すべきは、利益の質が変化している点です。従来の稼ぎ頭であったHE(ホームエンターテインメント)事業が18%成長したことに加え、VS(ビークルソリューション、電装事業)が25%もの成長を遂げています。EV(電気自動車)市場全体の成長鈍化が懸念される中にあっても、LG電子の車載インフォテインメントシステムや照明システムは、テスラをはじめとする大手メーカーからの受注を確実に伸ばしています。これは、同社のポートフォリオが景気変動の影響を受けにくい構造へとシフトしている証左と言えるでしょう。

さらに、北米市場におけるHVAC(暖房・換気・空調)事業の黒字転換は、投資家にとって見逃せない「隠れた好材料」です。B2B(企業間取引)ビジネスである空調事業は、一度導入されればメンテナンスや更新需要が見込めるため、収益の安定性が極めて高い分野です。北米での売上が20%増加し、利益率8%を達成したというニュースは、同社がコンシューマー向け製品のボラティリティ(変動性)を、産業向けビジネスで補完する体制を整えたことを意味します。これに合わせて発表された北米空調事業への1兆ウォン規模の投資は、経営陣の自信の表れと受け取ってよいでしょう。

未来への布石として注目すべきは、やはりAI戦略です。CES 2026で発表された「Signature OLED T」は、1,500万〜5,000万ウォンという高価格帯ながら、技術的なショーケースとしてブランド価値を大きく引き上げました。しかし、真の価値はハードウェアそのものではなく、それらを制御するAIにあります。AI家電の売上比率が既に30%を超えているという事実は、LG電子が「データを活用して顧客生活を最適化する」ステージに入ったことを示しています。Statistaの予測通り、グローバルAI家電市場が今後15%拡大するのであれば、その恩恵を最も享受できるポジションにいるのがLG電子です。

一方で、投資判断を下す際にはリスク要因にも目を向ける必要があります。最も懸念されるのは、再燃しつつある米中貿易摩擦の影響です。半導体供給網の分断や関税の引き上げは、グローバルにサプライチェーンを持つ同社にとってコスト増の要因となり得ます。実際、1月16日にはこの懸念から株価が一時下落する場面も見られました。また、中国メーカーとの低価格競争も依然として激化しており、特に普及価格帯の家電製品では利益率が圧迫される可能性があります。為替に関しても、ウォン安は輸出企業の利益を押し上げる一方で、原材料の輸入コストを増大させる諸刃の剣であり、慎重なモニタリングが必要です。

バリュエーション(株価評価)の観点からは、現在の株価は依然として割安圏にあると考えられます。業界平均のPER(株価収益率)が14倍であるのに対し、LG電子は約12倍で取引されています。ブルームバーグが集計したアナリストのコンセンサスによれば、目標株価は15万ウォン付近に設定されており、現在の株価水準(13,800ウォン台※注:提供データに基づく表記ですが、文脈上の目標株価との乖離から138,000ウォン水準の実勢を想定した比率で解釈すべきです)から見れば、約9%の上昇余地が残されています。国民年金が12.5%の保有率を維持し、外国人投資家の資金流入も続いている需給環境は、下値を支える強力な要因となるでしょう。

結論として、LG電子は今、「成熟した家電メーカー」から「成長するテック企業」への再評価(リレーティング)が進む過渡期にあります。短期的には米中の地政学的リスクによるボラティリティに注意が必要ですが、中長期的にはAIと電装事業という二つの強力なエンジンが株価を牽引する公算が大きいと言えます。RSIが過熱圏に突入する前の今のタイミングは、押し目買いや新規エントリーを検討する価値のある水準と言えるでしょう。投資家の皆様には、日々のニュースヘッドラインに一喜一憂するのではなく、同社が描く2026年の利益率10%という野心的な目標に向けた進捗を、冷静に見極める姿勢が求められます。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。