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日本株2026年2月11日

急騰したメルカリ、成長軌道への回帰は本物か?業績上方修正の裏側と投資妙味を読み解く

Mercari, Inc.4385
日本株

重要な要約

2月9日の決算発表を受け、メルカリ株は10%超の大幅上昇を記録し、昨年来高値を更新しました。通期業績予想の上方修正に加え、Fintech事業の急成長や米国事業の改善が好感されています。本記事では、テクニカル面での過熱感とファンダメンタルズの改善を詳細に分析し、今後の投資機会とリスクについて解説します。

株式市場において、長く待ち望まれていた「復活」の狼煙がついに上がったのかもしれません。2月上旬、日本を代表するフリマアプリ大手であるメルカリ(4385)が発表した決算は、多くの投資家にとって驚きと安堵をもたらす内容でした。発表翌日の株式市場では、同社株が前日比で10.64%も急騰し、昨年来高値を更新する展開となりました。これまで成長の鈍化や米国事業の苦戦が懸念され、株価が低迷する局面もありましたが、今回の決算はそうした悲観論を払拭する契機となる可能性があります。投資家の視線が再びこのテックジャイアントに集まる中、現在の株価上昇が一過性のものなのか、それとも本格的なトレンド転換の始まりなのかを冷静に見極める必要があります。

まず、足元の株価動向をテクニカル分析の視点から紐解いてみましょう。現在、メルカリのRSI(相対力指数)は14日ベースで67.4を示しています。テクニカル分析の教科書的には、RSIが70を超えると「買われすぎ」と判断されるため、現在はその警戒ラインに肉薄している状態です。しかし、これを単なる過熱感と捉えるのは早計かもしれません。強いトレンドが発生している初期段階では、RSIが高水準に張り付いたまま株価が上昇を続ける「バンドウォーク」のような現象がしばしば見られるからです。分析スコアは40と中立的な水準に留まっていますが、これは長期的な下落トレンドからの回復途上であることを示唆しており、むしろ上昇余地が残されていると解釈することも可能です。直近の変動率が10%を超えていることは、強力な買い圧力が流入したことを裏付けており、市場のセンチメントが「様子見」から「買い」へと劇的に変化したことを物語っています。

この劇的なセンチメントの変化を引き起こした主因は、紛れもなくファンダメンタルズの改善にあります。2月9日に発表された決算において、メルカリは2025年6月期の通期業績予想を上方修正しました。売上収益の見通しを2,100億〜2,200億円へ、そして特に注目すべきコア営業利益を従来の280億〜320億円から320億〜360億円へと引き上げました。これは前期比で最大30%近い増益を見込む強気な修正であり、同社が「利益を出しながら成長する」フェーズへと完全に移行したことを印象づけています。これまで市場の一部には、成長投資がかさむことで利益率が圧迫されるのではないかという懸念がありましたが、今回の発表はその不安を払拭するに十分なインパクトを持っていました。

事業セグメントごとの詳細を見ていくと、その成長の「質」が向上していることが分かります。国内事業(Marketplace)は依然として堅調で、流通取引総額(GMV)は前年同期比8.3%増と安定したキャッシュカウの役割を果たしています。しかし、投資家がより注目しているのはFintech事業の躍進でしょう。クレジットサービスを中心としたFintechの債権残高は前年同期比で41.0%増の3,007億円に達しており、驚異的な成長率を記録しています。「メルカード」の会員拡大が寄与し、単なる決済アプリから、ユーザーの信用を創造し収益化する金融プラットフォームへと進化を遂げつつあります。この金融事業の高収益化が、全社の利益率を押し上げる強力なエンジンとなっているのです。

さらに、長年の懸案事項であった米国事業(US)にも明るい兆しが見え始めています。GMVはドルベースで前年同期比6.0%増となり、積極的なキャンペーン施策が奏功して成長軌道に戻りつつあります。米国市場は競争が激しく、インフレによる消費マインドの冷え込みも懸念されていましたが、ここでの踏ん張りはグローバル展開への期待を再び繋ぎ止める重要な要素です。日本国内での盤石な収益基盤、急成長するFintech、そして底打ち感の出た米国事業という「三本の矢」が揃いつつあることが、今回の上方修正の背景にあります。

投資の観点から見ると、現在のメルカリは非常に興味深い局面にあります。機会(オポチュニティ)としては、Fintech事業が生み出すシナジー効果が挙げられます。フリマアプリでの売買データを活用した独自の与信モデルは、従来の金融機関には真似できない強みであり、この「経済圏」へのユーザーの囲い込みが進めば進むほど、収益の安定性は高まります。また、自己資本が1,112億円へと拡大し、財務健全性が向上している点も、金利上昇局面においては安心材料となります。

一方で、リスク要因も無視できません。短期的には、決算発表後の急騰に対する反動安や利益確定売りに注意が必要です。RSIが高水準であるため、一時的な調整が入る可能性は十分にあります。また、中長期的には国内キャッシュレス決済市場の競争激化や、米国経済のソフトランディングの成否が業績に影を落とすリスクがあります。特にFintech事業における債権残高の急増は、将来的な貸倒リスクの増加と表裏一体であるため、適切なリスク管理がなされているかを引き続き注視する必要があります。配当予想が依然として「0円」であることも、インカムゲインを重視する投資家にとってはマイナス材料となるでしょう。

結論として、今回のメルカリの決算と株価急騰は、同社が「再成長」のステージに入ったことを強く示唆しています。単に売上規模を追うだけでなく、コア営業利益を重視した経営へのシフトが鮮明になり、市場との対話も改善されています。テクニカル面では短期的過熱感があるものの、ファンダメンタルズの裏付けがある上昇であるため、押し目買いの意欲は強いと考えられます。投資家としては、3,500円台という新たな価格帯を維持できるか、そして次なる四半期で米国事業の回復とFintechの収益性が持続するかどうかが、長期保有を判断する上での重要な試金石となるでしょう。成長株としての爆発力と、プラットフォーム企業としての安定感を兼ね備え始めたメルカリは、再びポートフォリオの中核候補として検討に値する銘柄と言えそうです。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。

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