|
|
|
|
|
|
韓国株2026年2月17日

原子力ルネサンスの旗手、斗山エナビリティが描く1.5兆ウォンの未来図

두산에너빌리티034020
韓国株

重要な要約

世界的な脱炭素化の流れとAIデータセンターによる電力需要急増を背景に、斗山エナビリティが再び脚光を浴びています。米NuScale Powerとの1.5兆ウォン規模のSMR供給契約や、チェコ原発受注などの好材料が相次ぐ中、株価は堅調な推移を見せています。本記事では、テクニカル指標が示唆する現在の立ち位置と、2026年の飛躍に向けた機会とリスクを詳細に分析します。

かつて重厚長大産業の代表格と見なされていた斗山エナビリティ(Doosan Enerbility)が、今やクリーンエネルギー技術の核心企業として株式市場の熱い視線を集めています。2026年2月に入り、同社の株価は45,200ウォン台へと上昇し、時価総額28兆ウォン規模の巨大企業としての存在感を改めて示しました。世界的な「原子力ルネサンス」の波に乗る同社ですが、単なるブームの一過性銘柄なのか、それとも長期的な成長軌道に乗ったのか。投資家が知るべき現状と展望を、最新のデータと市場環境から紐解いていきましょう。

まず、投資家の心理状態を映し出すテクニカル指標から見ていきます。現在、斗山エナビリティのRSI(相対力指数)は14日ベースで59.05を記録しています。RSIは一般的に70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断されますが、現在の水準は「上昇トレンドにあるものの、過熱感はない」という、いわゆる「適温相場(ゴルディロックス)」の状態を示唆しています。株価が急騰した2月10日の局面を経て、市場は一度冷静さを取り戻しつつ、次なる上昇のエネルギーを蓄えている段階と言えるでしょう。一方で、総合的な分析スコアが40にとどまっている点には注意が必要です。これは、ファンダメンタルズの改善が著しい一方で、過去の財務体質やボラティリティの高さが依然として一部のテクニカルモデルにおいて慎重な評価を受けていることを意味します。つまり、盲目的な買いではなく、ニュースフローと実績を確認しながらのエントリーが推奨される局面です。

しかし、この慎重なスコアを覆すような強力なファンダメンタルズの変化が、直近のニュースから読み取れます。最も注目すべきは、2月14日に報じられた米NuScale PowerとのSMR(小型モジュール炉)供給契約の拡大です。その規模は実に1.5兆ウォンに達し、2027年の商用化に向けて具体的な部品供給体制が強化されることになります。SMRは、従来の大型原発に比べて安全性と建設コストの面で優位性があり、次世代のエネルギー源として世界中が注目しています。斗山エナビリティはこの分野で「世界的なファウンドリ(製造受託)」としての地位を確立しつつあり、今回の契約はその実力を証明する決定打となりました。さらに、米国エネルギー省による核融合投資の拡大や、韓国政府主導の原子力輸出入支援センター設立など、政策面での追い風(テールウィンド)もかつてないほど強まっています。

業績面においても、その期待は数字として表れ始めています。2025年第4四半期の売上高は前年同期比25%増の3.2兆ウォンを記録し、特に原子力事業の利益率が15%を超えたことは、同社の収益構造が質的に転換したことを示しています。従来の低マージンな建設請負から、高付加価値な機器供給へとビジネスモデルがシフトしている証拠です。また、現代自動車との水素燃料電池事業での提携や、チェコでの原子力プラント受注など、ポートフォリオの多角化も順調に進んでいます。これらは、単一事業への依存リスクを低減し、長期的なキャッシュフローの安定化に寄与する要素です。

マクロ経済環境に目を向けると、現在の為替水準(1ドル=1,450ウォン前後)は、輸出主導型の同社にとって強力な支援材料となっています。ウォン安は海外プロジェクトの価格競争力を高め、円換算やドル換算での収益を押し上げる効果があります。また、世界的な原油高と再生可能エネルギーの供給不安定性が露呈する中で、ベースロード電源としての原子力の価値が再評価されており、これがKOSPI市場における原子力関連株全体の底上げにつながっています。競合であるGE-HitachiやWestinghouseとの競争は激化していますが、斗山エナビリティは製造能力と納期遵守の面で高い評価を得ており、特に米韓の原子力同盟強化という地政学的な枠組みが、同社に有利に働いています。

もちろん、投資にはリスクが付き物です。アナリストたちが指摘するように、SMR市場はまだ黎明期であり、各国の規制承認の遅れがプロジェクトの進行を妨げる可能性があります。また、原材料価格の高騰が続けば、製造コストを圧迫し、利益率を低下させる懸念もあります。さらに、分析スコアが示すように、過去の負債削減の進捗や財務レバレッジについては、継続的な監視が必要です。しかし、カーボンニュートラル達成率80%という高いESGスコアや、国民年金公団による保有比率の増加(5.2%から6.1%へ)は、機関投資家が同社の長期的な持続可能性を評価し始めているシグナルと捉えることができます。

結論として、斗山エナビリティは現在、期待だけで買われる「思惑相場」から、実績を伴って評価される「業績相場」への移行期にあります。アナリストのコンセンサス目標株価である52,000ウォンまでは、現値から約15%の上昇余地が残されています。短期的には2月20日に予定されている決算発表が次のカタリスト(株価変動要因)となるでしょうが、より長い視点で見れば、2026年から2028年にかけて予想されるEPS(一株当たり利益)の年平均30%成長こそが、投資判断の核心となります。SMRという次世代技術の覇権争いにおいて、斗山エナビリティは最前列に位置しています。多少のボラティリティを許容できる投資家にとって、現在の株価水準は、エネルギー産業の構造転換に参加するための魅力的なチケットと言えるかもしれません。

本レポートはInverseOneが分析した資料です。投資判断の最終責任は投資家本人にあります。本レポートは投資アドバイスではなく、参考資料としてのみご利用ください。過去の実績は将来の収益を保証するものではありません。